ナレッジの収納先は、M-BOMにあり。
2007年問題で、各企業は何とか技術の継承をスムーズに行えるように試行錯誤を繰り返しています。私がここでテーマにしたい事はナレッジの伝承を一時的なもの、一部の人のものにしない為に、どのような策を講じればよいか?ということです。あまり大上段に構えるつもりはありませんが大事な事だと思います。勿論、タイトルに掲げたように私の場合は、製造業に於いてです。
M-BOMは製造業の縮図
工場の現場に行ってみると、各工程にはその工程で作業を効率化する為の様々な工夫がなされています。工場全体で見ると様々な製品が生産されているので、さぞ、各工程に於いても複雑になっていると思いきや。各工程でも様々なものが作られている割にキチッとタイプ別にパターン化され整理されているものです。生産計画を立てている生産管理部門の担当の方も同様に頭の中にキチッと整理されていて、工場が円滑に運営されている事が多くあります。問題はそれが暗黙知化の状態で所謂ベテランと呼ばれている人の頭の中にあることです。この方々が退職を向かえ、いなくなってしまうと途端に工場は混乱します。
工場は、M-BOMが無くても製品は生産されていきます。
その理由は、先にあげたナレッジが暗黙知によって運用されているからです。M-BOMとはこの暗黙知を一つ一つに認識知に変換(アウトプット)し、それをシステム(M-BOM)の入れ物に入れいく事で、工場全体の共有財産にしていく事です。属人化しているものは、その人がいなくなると企業に多大な損害を与えます。共有することで初めて企業の強みに変えていく事が出来るものと思われます。M-BOMのメリットはこうした2007年問題でも大きな役割を果たしていると言えましょう。