「IT活用を上手に行う為に大事なことは、現行業務に引きずられないことです。つまり経営課題を解決する為に先ず、業務改革が必要です」とお話をすると多くの製造業のお客様から帰ってくるのは、「うちはトヨタさんのOBの方に現場改革の指導を受けています」というご返事です。
ITを活用する前には「あるべき姿」という言葉をよく使います。一方「TPM」などの改革運動も「あるべき姿」を多用しています。
同じ言葉で意味するところが違う為に、お客様との間に大きなコミュニケーションギャップを感じます。これはお客様と私たちのギャップであると同時に現場の部門長と経営TOPとの間のコミュニケーションギャップにも通じている気がします。我々と現場の部門長の方との話し合いはご説明することですぐにギャップは解消しますが、問題は後者です。現場を直接預からない経営層としては、「何故、同じ工場のあるべき姿を描くのに二回もコンサルを必要とするのか?」という素朴な疑問です。実はこの辺のギャップこそ、日本の企業がIT活用が下手といわれる大きな要因の一つであるように思えてなりません。
具体的な事例を持って考えていきましょう。
「ある倉庫で、5Sの実践である、整理・整頓を終えたところに大量の納品がなされ、再度やり直す」というよくあるケースです。
何が問題だったのでしょうか?
次回この点について考察していきたいと思います。
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